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JICA海外協力隊として、私がはるばる西アフリカへ行く理由 | Yui Blog

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JICA海外協力隊として2023年11月から2年間、アフリカ大陸最西端の国”セネガル”へ行く。


日本人にとってセネガルはサッカーが有名な国として知られていたり、”パリ・ダカールリレー”のダカールのところ、というと「あ〜!」という反応が返ってくる。

「なぜわざわざアフリカに行こうと思うのか?」「なぜわざわざ途上国の人々を助けたいと思うのか?」と聞かれる機会が多々ある。

今の気持ちを正直に言えば、貧しい人々を助けたい一心で途上国に行くというよりは
「世界の不平等についてもっと知りたい。自分の目で確かめたい。」という気持ちが強い。

アフリカへの渡航が迫った今、赤裸々な気持ちをここに綴っておきたい。


 国際協力に興味を持ったきっかけは、ふつうに駅前や電車の中、テレビで見るユニセフなどの団体が発信するものを見て、といった感じだったんじゃないかと思う。

世の中には、貧しい生活を余儀なくされている人々がいるということを知り、それと同時に自分が恵まれている環境下で平穏に暮らしていることに「何だかなぁ」と思うようになったのである。

高校生のときには貧困の根本的原因は紛争だろうと考え、将来のキャリアとして国際協力(とりわけ紛争問題の解決)の道に少しばかり感心を持っていた。JICAの青年海外協力隊の説明会に参加したのもこの頃だったと思う。

しかし、言語や文化の壁をのりこえて紛争をとめられるような、そんなすごい人に自分がなれる気はしなかったし、覚悟もなかったし、現実的な感じがしなかった。しまいには学校の隣の席の子に「あなたみたいな優しい人には無理だ」と言われ、紛争地域で子供が無差別に殺される動画を見させられ(今思えば、優しいのかいじわるなのかわからない、ちょっと変わった友達だ)たしかに私には無理かもしれないと思い断念したのであった。

 結局、高校卒業後は国際協力には関係のない理系の大学に進学することになったが、友人の誘いで社会起業家コンテストHult Prizeに参加することになる。

そこで、世の中の社会問題をビジネスという形で解決する”ソーシャルビジネス”という考え方に出会う。

もちろん貧困にはいろいろな要因があるけれど、現地に雇用を生み出すことができれば、人々が安定的な収入を得られるようになる。また、仕事を通じて職場の仲間やお客さんなど、今まで巡り会わなかった人々との出会い・コミュニティが生まれる。ソーシャルビジネスって面白いかも…?と思い始めた。

コミュニティに関して少し追記する。
私は前述の社会起業家コンテストに参加した翌年、カンボジアの小学生たちに簡単な英語と日本語を教える教育ボランティアに参加し、カンボジアのトンレアップ村という小さな村へ行った。

交通機関もない、電気も水道もない、もちろんネットも使えない、家は泥だらけでカエルもいる…そんな体験をする中で、私が一番衝撃を受けたのが”コミュニティの少なさ”であった。その村の子供たちの毎日の生活といえば家と学校の往復のみ。SNSもない、都市に行く手段もない、唯一のコミュニティはそのボランティアを主催する日本のNPOが建てた小学校のみ。もしその小学校が建てられていなかったら、子供たちは家族以外の人々と関わる機会がほとんどないことになる。

コミュニティが少ないことは必ずしも問題なわけではないが、コミュニティはたくさんの人々との出会いを与えてくれる。新たな知識や価値観を得ることができたり、自分の居場所となったり、ときには挑戦の場となったりするものだと思う。

それ故に、自分の人生の選択肢やチャンスを広げてくれる場としてコミュニティは大事なんじゃないかなと思っている。

 そんなこんなで漠然といつかソーシャルビジネスを立ち上げられたらなと思っている節がある。貧困に悩む女性たちがいる地域に雇用を生み出し、女性の経済的な自立を促すことができたらいいなあと。

でも、それは偽善なんじゃないか、本当に求められていることなのか、といった声がときどき頭をよぎる。

それと同時に、今同じ瞬間に同じ地球に生きていて、ただ生まれた場所が違うというだけの理由で命の危機に晒されたり、人生の選択肢や自由、可能性が奪われる事態があるのならば、やっぱり私はそれを知らないまま生きていきたくはないと思う。

だから私は知りたいのだ。

なぜ世界の不平等が生まれてしまったのか、どうしてなくならないのか、そして自分が向かう道が正解なのかどうかを。

自分の足で歩き、自分の目で見て、確かめにいくのだ。

Yui

Yui

JICA海外協力隊として2年間セネガルに行きます。 今の思いを綴っていきます。